余裕を持っておく必要があると、常々思っている。
常々思っているし、その余裕をなくすたびに、思い出す。そのありがたさと大切さを思い出す。
じゃあその”余裕”ってなんなんだって話で。
余裕がない時は、何に余裕がないんだって話で。
それを考えた時に出た結論が、仕事・時間・健康だった。
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仕事に余裕がなくなると、頑張ってる自分は報われるべきと思うようになる
仕事に余裕がなくなると何が起こるのかというと、「頑張ってる自分は報われるべきと思うようになる」のだ。
これはかなりヤバい。「自分は報われるべき」と思ってるってことは、「報われない」というリアルに遭遇したときに、怒りを感じてしまうからだ。しかもヤバいことに、この「報われない」は自分で決めてしまえるので、多少の報酬では満足できない。
また「自分は報われるべき」と思っている状態では、「自分よりも報われている他者」に対する嫉妬の感情は一気に肥大化する。「なんであの人ばっかり」と思ってしまう。
こうなってしまったら、その怒りや不満が、周囲に対する攻撃という形で発露するのは時間の問題なのだ。あるいは、他人の優しさを素直に受け取れなくなってしまう。その優しさに裏があると思ったりする。
そして、周りに対して優しくなれなかったことを後から自己嫌悪してしまったりもする。
ああ、これは本当に恐ろしい。しかも止められない。
他人に対しての接し方は、「気をつける」でどうにかなるものじゃない。根本の原因を取り払わなくてはいけない。
僕の考え方では、攻撃してしまった本人が悪いわけではなくて、仕事に余裕がなくなってしまっている状態を続けてしまったことが失敗であると考えている。
だから、「仕事に余裕を持たせる」ことに全力を注ぐ。そのためにはアラートもあげるし、他の人に仕事をお願いもする。「ヘルプをあげる余裕もない」は違う。「余裕がないからこそヘルプを出す」のだ。
「仕事に余裕がない」とはどういう状態かというと、自分が処理できる量以上の「やること」を抱えている状態だ。「やること」は手を動かす『タスク』だけではなく、頭を動かす『課題』も含んでいる。
「仕事に余裕を持たせる」とは「やること」を減らすことだ。抱えている荷物を下ろすことだ。他の人に優しくしてあげる、つまり他の人の荷物を持ってあげるというアクションは、自分の荷物に余裕があるからできることだ。メンバーが全員パンパンのリュックを背負っていては、誰かが遅れているときに手を差し伸べられない。むしろ「俺だってたくさんの荷物を背負っているのだぞ」と傲慢になってしまうことにもなりかねない。
だから、荷物を減らす。余裕を持たせる。そうすることで、他の人に手を差し伸べられるし、自分に差し伸べられた手を取ることができる。
時間に余裕がなくなると、休めなくなって悪循環が始まる
次は、時間に余裕を持たせる話だ。
時間とは、仕事だけではなくプライベートも含む。「仕事」と「時間」が同じ次元の話じゃないから若干違和感があるが、時間の中で特に仕事に使っている時間に余裕がなくなったときの影響が大きいので、別出しとした。
とはいえ、仕事以外の時間についても軽視はできない。仕事以外の時間、つまりプライベートの時間は、自分のやりたいことをするチャンスだ。趣味に使ってもいいし、勉強をしたり、副業に充てる人もいるかもしれない。
ただ、仕事以外の時間にいろんなことをするのは、HPとMPが十分にあるという前提に立っている。HPとMPの概念についてはこちらの記事で書いている。運動をしたり家事などの活動をするための物理的なエネルギーと、思考をしたり意思決定をするための精神的なエネルギーのようなものと思ってもらえばいい。
このHPとMPが常に十分にあるならば、仕事以外の時間でもいろんなことをすればいい。しかし、これらは時には意図的に休んで回復させてあげる必要がある。
しかし、仕事と同じ表現になってしまうが、「やること」が多すぎると休むことができなくなるのだ。「プライベートを充実させよう」と思って予定を詰め込み過ぎた結果、体を十分に休めないままその予定を迎え、十分に楽しめず、また仕事でもエネルギーを使い、悪循環に入りかねない。
だから、自分のHPとMPの状況を鑑みて「やること」を意図的に減らして余裕を作ってあげる必要がある。仕事と同じである。
もちろん、自分のHPとMPの状態が良いのであれば、活動を増やしても良いかもしれない。しかしそれは多くの場合、自分しかわからない。だから「最近バタバタしてないか?」「いっぱいいっぱいになってないか?」「焦ってないか?」など自問して、少し俯瞰的に、長期的にスケジュールを眺めてみるのをオススメしたい。
健康に余裕がなくなると、自分の治療が最優先事項になる
最後に、健康に余裕を持たせる話だ。これが最重要とも言える。
「他人に優しくする」が、「砂漠で人に水を分け与える」ことに喩えるなら、健康に余裕がなくなってる状態とは、自分が渇き切っている状態である。
この状態では、まずは自分の渇きを潤す行動が正しい。「そんな状態でも人に優しくしろ」と言うつもりはない。
ちなみに、概念的にはウェルススペクトルの『赤外線』も近い状態である。これは健康状態ではなく金銭状態であるが、「不足している人が人に分け与える」のはお門違いであり、まずは自分を満足させることに集中するべきなのである。
「健康を保つためにどうすればいいか」なんて、誰しもが答えはわかっているはずで、あとはやるかやらないかの違いでしかないのだが、僕がやっていることを紹介しておく。これは毎日やっていることと可能な範囲で続けていることが混在している。基本的には食事・運動・睡眠に気を遣っていればよくて、程度が個人差によるので各自でいいパターンを見つけていってほしい。
- 22:00までに寝る
- 8時間寝る
- 毎日水を飲む。できれば2リットル。
- 毎日20分は運動する。
- シャワーで済ませず、風呂に浸かる。
- カフェインを控える。
- アルコールを控える。
- 寝ている間に乾燥し過ぎないようにする。
ちなみに、健康に余裕がない、つまり「体調を崩しそう」僕の場合は「喉が痛い気がする」「鼻水が出てきた」「倦怠感を感じる」「頭が働かない」などの兆候が見られた場合のマストアクションは「よく寝る」である。
食事・運動・睡眠と言ったが、睡眠が圧倒的にクリティカルに効く。「眠れない」という人もいると思うので、記事の「睡眠」タグを置いておく。不眠症の人は然るべき医療機関にかかっていただきたいが、上記の記事のメソッドも多少は効くと思っている。ヒトの体はコンピュータではないので、「不眠症じゃない=眠れる」「不眠症=眠れない」というゼロイチではないと思っているからである。(不眠症じゃない僕が言っても説得力は皆無だが)
仕事・時間・健康に余裕があるかどうかを定期的に自問していく
とりあえず、他人に優しくなれるための必要条件が、仕事・時間・健康に余裕があることだと思っている。これらのどれかが損なわれた場合には、まずそれを立て直すことがファーストアクションになる。
だから、仕事・時間・健康に余裕があるかどうかを定期的に自問していきたい。そして余裕がないと思われる場合には、対策をとる。
仕事に余裕がない時はヘルプを出す。
時間に余裕がない時は「やること」を減らす。
健康に余裕がない時は寝る。
常にバッファの範囲内で、可能な範囲内で、動いていく。
チャイフ
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