「期待しない」と「信頼しない」は全然違う

こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。

「人に期待しない」。

この言葉は、心をラクにする、ストレスを減らす、人間関係の悩みをなくす、ためには?というようなメンタルの文脈で、よく言われます。

ただ、「信頼しない」とはまた異なります。何が、どう違うのでしょうか?その辺りを深掘っていきたいと思います。

それでは!

ちなみにこの話、stand.fmの限定公開で話しています。

 

「期待しない」=「期待しすぎない」

まず、「人に期待しない」っていうのは、正確に言えば「期待しすぎない」ということですよね。

誰かに何かを依頼して、それが自分の期待通りに遂行されることを期待する。それで期待通りじゃなかった場合に、失望したりショックを受けたりイライラしたり、となってしまうとメンタルにとって健康的ではないので、「期待しない」をライフハックとして掲げられている、という流れだと思います。

そういった文脈を分かった上で一言で言えば「期待しない」になるのですが、これは上記の具体的な文脈から情報を落として抽象化した言葉ですから、これだけが”独り歩き”して誤った解釈をされていることがあるんじゃないかな〜というのがこの記事の発端です。

課題の分離とも関連が深い

ちなみにこの「期待しない」は、書籍『嫌われる勇気』の「課題の分離」とも関連が深いです。

「課題の分離」を実践するための3つのポイント

2020.05.31

人に何かを依頼したとして、その結果を期待するのは自分の課題。それの遂行とか結果は相手の課題。相手の課題であるところの結果までを自分ごととして抱え込みすぎると、「自分の依頼の仕方が悪かったのでは」と過度に自責をしてしまったり、「なんでそんな結果になるんだ」と苛立ちを覚えてしまったりします。もちろんそのような感情が出てしまうことはゼロにはできないのですが、入り込みすぎないバランス感覚が必要になってくるところです。

「期待しない」を「信頼しない」と混同されている場合がある

さて話を戻しますが、「期待しない」という言葉だけが”独り歩き”した結果、「信頼しない」と混同されている場合があるんじゃないかと考えています。

「期待」よりも「信頼」の方が圧倒的に確信度が高い

「信頼」って何?ってのを考えてみます。

たとえば、病院でお医者様に診てもらう場合を考えてみましょう。

「初めて行く病院だけど、口コミを調べた感じ悪くなさそうだから、期待できそう」というのは、「期待通りにいかない可能性もあるかもしれないけど、悪い賭けではないだろう」のような、やや不安を抱えている印象がありますね。一方で、「長年通っているかかりつけのお医者様を、信頼している」といった場合、「これまでの実績も踏まえて、まず間違いないと確信できる」のように、確信感を感じます。

このように、「期待」と「信頼」の間には、その確信度に差があるのです。以降の説明をわかりやすくするために数値を置くと、「期待」は確信度70%くらいの感覚で、「信頼」は確信度98%くらい、という感じです。

確信度を高くしすぎると、外れた場合のショックが大きい

ギャンブルに例えるとわかりやすいです。

たとえば、ルーレットで「赤色に賭ける」というときに、「次は赤が来ると期待する」と言えば違和感はないですが、「次は赤が来ると信頼している」と言えばかなり違和感があります。多少ベットするからには、根拠がなくても「赤色が来て欲しいな〜」「赤色が来るんじゃないか?」と願望・予想を持ってベットするわけですが、それでも全財産をベットするわけはないでしょう。それで「赤色が来なかった」という結果だったとして、激昂する人はいないはずです。激昂するとしたら、「信頼していた人」です。たとえば、イカサマをして「次は確実に赤が来る」と心の底から100%確信していたのであれば、もし何かの間違いで「赤が来なかった」結果となれば、困惑と怒りが込み上げてくるでしょう。

なぜなら、「赤が来る」と「信頼していた」「確信していた」言うなれば、「期待しすぎていた」からです。

そう、確信度を高くしすぎると、外れた場合のショックが大きいのです。

「期待」は「予想通りにいかない可能性」をかなり考慮している

要するに、 通常の意味で使われる「期待する」のなかでは、「予想通りにいかない可能性」がかなり考慮されているわけです。そして巷でメンタルや人間関係の対策などに「期待しない」がよくオススメされている内容を表現すると、

  • 文字通りの「期待しない=確信度0%。どうせ失敗する」と絶望するのでもなく、かといって「過度な期待=95%とか。絶対成功する」と妄信するのでもなく、適度な期待の確信度(70%)で抑えておきましょうネ

ということになるでしょう。さらにもう一歩踏み込んで表現すると、

  • とはいってもついつい期待感を高めて、80%、90%と期待してしまうから、「期待しない」くらいの気持ちで思っておきましょうネ

といったところでしょう。

期待はするんだけど裏目を覚悟しプランBを用意しておく

「期待しない」は文字通りの意味ではないのです。

全く信じないわけでもない。100%確信するわけでもない。ある程度「こうなってくれるだろう」とは思う。けど手放しに「信頼する」というのでもない。「期待しすぎない」けど「期待はする」。そんな絶妙なバランス感が目指すところなのです。

個人的には、「期待しない」は短すぎて誤解を招くので、「裏目を覚悟しプランBを用意しておく」の方がよほど精確じゃないかと思っています。もちろん依頼したことが期待通りに遂行されることを願うしそう期待して依頼するんだけど、そうならない可能性を考慮して、覚悟しておく。可能なら、次の手を打っておく。そうすることで、ある程度の失敗にも許容し、「ナイストライ」と言える寛容さを獲得できます。ぜひ意識してもらえると嬉しいです。

それでは。

チャイフ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です