【オタクに学ぶシリーズ】体感5秒とは【体感時間】

こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。

大人気シリーズ(大嘘)、「オタクに学ぶシリーズ」です。

あなたは「体感5秒」という言葉を聞いたことがありますか?これは、ライブや生放送などのイベントが終わった後に、”絶対時間”としては1時間とか2時間とかが経過しているにもかかわらず、”体感時間”としては5秒であったときに使います。僕も使います。

まぁ言ってしまうと定番のネタなんですけど、5秒と言わずとも体感としては”絶対時間”よりも短く感じるのはその通りだと思います。

そこで今回は、なぜこのようなイベント中は体感時間が短くなってしまうのかについて考えてみました。

それでは!

体感5秒とは

「体感5秒」とはいつから言われ出したのでしょうか。僕はニコニコ動画が起源だと思っています。

ニコニコ動画は、視聴者が動画視聴中にコメントを投稿できて、その文字列が動画内に実際に流れるため、視聴者同士がそのコメントを見ることができる、という機能が画期的でした。また、ニコニコ生放送ではリアルタイムにコメントを流すことができました。

そのニコニコ動画内で時々見られたのが「体感5分」というコメントです。1時間以上の動画や1時間以上の枠を取った生放送番組の最後にそのような体感時間に関するコメントが見られました。”絶対時間”は1時間なのに「体感5分」というギャップが大きく、ユーモア溢れる”面白いコメント”になり得たのです。

しかし、10分の動画に対してはどうでしょうか?”絶対時間”10分の動画に対して「体感5分」というコメントはギャップが少なく、それほど面白くないですよね。おそらくそこで誰かが「体感5秒」とコメントを打ったのだと思います。

これが「体感5秒」の始まりではないでしょうか。まぁ5分だろうが5秒だろうがどうでもいいんですけど。

体感5秒に感じる理由

では早速、体感5秒に感じる理由について調べてみました。ここでは、ライブを例にとってみようと思います。ちなみに「ラブライブ!」というコンテンツのライブとか声優のライブなどの、サイリウムを振るタイプのライブを想定しています(どちらでもいい)。

体験・認識する出来事が少ない

第一に、体験・認識する出来事が少ないためです。

物理的には同じ時間でも、私たちの心的な時間は、認識される出来事が多いと長くなり、少ないと短くなるんです!

大人になると時間があっという間に過ぎてしまうのは、私たちが複数の出来事を「まとまった1つの時間」、として捉えてしまっているからなんです。

それは、毎日がルーティーン化し、出来事の細かい部分を追わなくなる

正直、ライブ中はディテール(詳細)に注目するヒマがありません。確かに目の前のライブが「唯一無二のライブ」であることは間違いないですが、一方で、大枠で見れば毎公演同じことが起きています。MCを挟みつつ90分ほどパフォーマンスを行い、一度退場した後にアンコールがあり、2、3曲パフォーマンスを行う。ディテールに注目せず「ひとまとまりのライブ」と捉えてしまったら最後、観客はそれを短く感じてしまうのです。

逆に、ディテールに注目して様々なことに思いを巡らしながら鑑賞しているときは、処理する情報量が多くいろんなことがあったと感じられ、時間が長く感じます。これは僕自身も経験があります。

ライブ鑑賞中にディテールに注目するチャイフ

あそこの舞台装置はどうなっているんだろう?あ、あんなところにもモニターが設置されているのか!演者だけじゃなくてサポートメンバーの表情も楽しそうで良い!観客の一体感も感じられて良い!

認識される出来事を増やすためには、このように様々なことに意識的に注意を向ける必要があり、いわば「主体的に楽しんでいく姿勢」が必要なのかもしれません。

ただ、そもそもライブの醍醐味は「体感時間を伸ばすこと」ではなくあくまでも「その瞬間を楽しむこと」です。「楽しかった」という感情だけが残って「体感5秒」になるのもそれはそれでアリだと思います。

過去に経験した時間に反比例する(ジャネー理論)

第二に、”体感時間”は過去に経験した時間に反比例する(ジャネー理論)ためです。

ジャネーの法則(ジャネーのほうそく)は、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則。主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を心理学的に説明した。

簡単に言えば生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)と主張したものである。例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。 by wikipedia

ジャネー理論、ジャネーの法則などと呼ばれるもので、心理学に属する考え方だそうです。今この瞬間に過ぎていく時間は、過去に経験した時間(年齢)と比較して評価されるので、短く感じる、というものです。

僕が人生で初めて参加したライブも、非常に楽しく充実した濃い時間でありながら長い時間に感じられた気がします。過去にライブの経験がない状態なので比較対象がなく、新鮮に感じられた、ということなのかもしれません。

(時間の進みを遅める方法についてはこちらの記事もチェックしてみてください。ジャネー理論の話も出ています。)

【持論】時間の進みを速く感じるのはなぜか?時間の進みを遅める方法は?【抽象的な話】

時間経過に意識が向く頻度が低い

第三に、時間経過に意識が向く頻度が低いためです。

楽しい時間はあっという間に過ぎるのに,退屈な時間はなかなか過ぎない。このように感じた経験は誰もがもっていることでしょう。この感覚を引き起こしている主な要因は時間経過に対して向けられる注意であると考えられています。時間の経過に注意が向けられる頻度が高いほど時間がより長く感じられるのです。逆に,時間の経過に注意が向けられる頻度が低い場合や,時間の経過以外の事柄に注意が向けられる場合には,時間は短く感じられます。

これはその通りですね。ライブ中は集中しているので、「今で30分くらい経過したかな?」なんて思うタイミングはありません。まさに「気がついたら終わっていた」という表現になります。「体感5秒」と言ってしまうのにも頷けますね。( ˘ω˘)ウンウン

「体感5秒」には「最高だった」が詰まっている

いかがでしたでしょうか。

心理学の話とかジャネー理論とか時間経過への意識とかなんだかんだ言ってきましたが、「体感5秒」は結局「楽しかった」「最高だった」をオタク語(?)に翻訳しただけな気がしてきました。

”5”という数字は語呂がいいだけで意味はなくて、「体感5秒」は要するに「楽しかった」「最高だった」と言っているのです。「体感時間が短かったこと」は「楽しかったこと」の絶対条件ではありませんが、「体感時間が短かった」は少なくとも充実していた・空き時間があったとしてもそれもひっくるめてひとまとまりで楽しく感じられていた、と言えます。

あなたはふと「あっという間だった」と言ってしまうことはありませんか?そんなエキサイティングな時間があったときに「体感5秒」を使ってみれば、プロのオタクに一歩近づけるかもしれません。(?)

それでは。

チャイフ

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