こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。
大人気シリーズ(大嘘)、「オタクに学ぶシリーズ」です。
あなたは「実質無料」という言葉を聞いたことがありますか?僕はよく聞きますし、使います。どうやら、オタク特有の表現だということに最近気づきました。
そしてこの「実質無料」という考え方、経済的な観点(?)で掘り下げると、実は深い(浅い)ということに気づいてしまいました。
それでは!
Contents
「実質無料」とは?
という言葉は、例えばソーシャルゲームのガチャで
とか言うときに、そのために消費したお金を評価する際などに使われます。
「ソーシャルゲームのガチャで欲しいキャラが出るまで回す」というのは、平たく言えば課金をすることを意味するので、事実としては財布からお金が減っています。
しかし、それを「実質無料」と評価しているのです。これはどういうことなのでしょうか。(詰められるのこわ…)
価格と価値について
ここで一度、価格と価値について整理しておきましょう。(値段と価値の方がいいのかしら。その辺は知らん)
お金とは?
まずお金とはなんでしょうか。
お金とは、情報やサービスやモノ(以下、プロダクトと呼びます)と交換するための道具です。
本質的にはただの紙だし、ただのコインです。
価格と価値とは?
交換される対象であるプロダクトの価値を、売り手が値踏みして設定する数字があり、買い手がその数字に合意したら、売買が発生します。売り手から買い手にプロダクトが移動し、買い手から売り手にその価格ぶんのお金が移動します。
その売り手と買い手で合意した数字が最終的な価格です。
「価値観」とは?
市場に出回る際には、交換するのに適切と思われる数字を売り手がつけることになるのですが、それに対する買い手の感じ方は買い手に依存します。
価値観とは、プロダクトに対してどのくらい価値を感じるかの基準のことを指します。(狭義)
なので、値札に書いてある数字に対して「高い」「安い」という多寡は、個人の価値観によるため、極めて主観的であり、相対的なものになりますね。
価格と価値の関係
ここで、売り手にとっての価値、最終的な価格、買い手にとっての価値には、次のような関係があります。
「価格と価値の関係」
- 売り手にとっての価値≦最終的な価格≦買い手にとっての価値
例えば、フリーマーケットで300円で売られているぬいぐるみに対して、
- あなたが「300円以上の価値がある」と思ったなら買う
- あなたが「300円以上の価値がある」と思わなかったら買わない
と思います。
「買い手にとっての価値ー最終的な価格」が大きければ大きいほど買い手は「得をした」と感じます。
逆に、そのぬいぐるみの売り手にとっては、そのぬいぐるみが300円以下の価値だと思っているからその金額設定にしているのです。「最終的な価格ー売り手にとっての価値」が大きければ大きいほど売り手は「得をした」と感じます。
「実質無料」投資に対する結果がもたらす価値を”無限”に感じている
さて、本題に戻りましょう。
「実質無料」がどういうことか、という話でした。
仮に、先ほどの論理を数式化してみましょう。
「実質無料」という感覚は言うなれば、こうです。
買い手が感じた価値
= ∞
「言い値で買おう」という表現があるが、あれも言ってることはほぼ同じです。買い手が感じた価値
= ∞の場合、 買い手が実際に払った金額
が10万になろうと100万になろうと、買い物に対する主観的な金額
はゼロに収束するのです。
「実質無料」から学べること
僕たちが「実質無料」という端的な表現から学べることがあります。
買い手目線
買い手目線だと、値札を見ずにプロダクトを見て「これくらいの価格なら買ってもいいかな」と、「買い手にとっての価値」を一度思い浮かべてから値札を見ること。
つまり、値札に書かれている数字をいきなり見るのではなく、その情報やサービスやモノが本来持つ価値に注目し、それを自分がどう感じるかを純粋に考えてみることの重要性です。
まず、自分がどんな価値観を持っているのかを調査することができます。世間知らずだと気づけたり、逆にとても相場を知っていることに気づけたりします。
また、衝動買いを防げます。「純粋に高いと感じたなら買わない」という選択をすることができますね。
売り手目線
売り手目線だと、買い手に価値を感じさせる、つまりプロモーションの重要性を読み取ることができます。
価格を見せずにプロダクトの魅力を買い手に伝えて、「買い手にとっての価値」(期待値)を高めていきます。そして、それを下回る数字を提示すれば、買い手は買います。
単純な話です。
単純な話ですが、これを意識できるかどうかで、プロダクトが売れるかどうかがハッキリ分かれるので、とても重要ですね。
「実質無料」は深い
いかがでしたでしょうか。
表面上の数字だけでで語られてしまいがちなところを、モノやサービスが持つ本質的な価値を一言で表現した秀逸な言葉です。
あなたも一度、値札を見ずにプロダクトを見て「これくらいの価格なら買ってもいいかな」と、「買い手にとっての価値」を一度思い浮かべてから値札を見る、ということをやってみてください。
けっこう面白いですよ。
それでは。
チャイフ