こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。
前回の「よくわからず海外投資信託に手を出しそうになった話」でも教訓は書いているのですが、今回は「勧誘をしてくる人」に注目して、教訓を書いてみました。
最後にも書きますが、他人に騙されるにあたって「自分は他の人とは違う」「冷静に判断している」などの思い込みにはまっていることを自分が知覚することは不可能です。(脳の仕様です)
対策としては、ある程度距離が近くない第三者に相談するという対応をしてほしいです。
というわけで、本題に入っていきます。
それでは!
よくわからず海外投資信託に手を出しそうになった話
前回、よくわからず海外投資信託に手を出しそうになった話を記事にアップしました。
今回は少し観点をズラして、「勧誘をしてくる人」に注目して、教訓を書いてみました。
世の中の詐欺師・悪徳商業者の特徴・注意点
早速、世の中の詐欺師・悪徳商業者の特徴や、気をつけておくべきことについて列挙していきます。
雑談がうまい
世の中の詐欺師・悪徳商業者は、雑談がうまいです。
人はモノを買うとき、心理的に「最終的に自分で選んだ」という納得感がある方が実際の購入に繋がります。
逆を言えば、「あからさまに/最初から最後まで売り込まれた商品を買う」ということに抵抗感を覚えます。
世の中の詐欺師・悪徳商業者は基本的に雑談がうまくて、意図的かどうかはともかく「売り込まれた」という印象をもたれないようにしています。
人間という生き物は、『最初から最後まで導いてしまうと満足しないけれど、納得できる説明をして、最後に選択肢を複数用意してやるなど自分で選んでいるという演出をしてやると満足する生き物である』と考えることが出来ます。
また、基本的な購買心理トリガーを知っておくと、「自分はこのトリガーに嵌っているかもしれない」と思えるので、ざっくり情報を置いておきます。
雑談の中で、何かをgiveを受けたような印象を持つと、「お返しに話だけでも聞こう」とか「お返しに商品を買おう」となってしまう可能性があります。
- 一貫性の原理
- 自分の行動や発言、信念などに対して一貫した態度をとりたいという心理的原理
- 返報性の原理
- 他人から何かを与えられるとそのお返しをしなければならないという心理的原理
それぞれのさらに具体的なパターンについてはリンクを参考にしてみてください。
「パーソナリティの話を訊いてくる=あなたに興味がある」ではない
雑談の中で、あなた自身のパーソナリティな話題も当然話題に出てきます。
例えば、出身、仕事、家族、趣向など。
ここで気をつけることは、「パーソナリティの話を訊いてくる=あなたに興味がある」ではない、ということです、
彼らの目的は自分たちが持っている商品を売ることです。
そのためには、いくらか信用を獲得する必要があります。
ありていに言えば、「いい人だと思ってもらう」必要があります。
商品の話ばかりをしていては信用に至りません。
信用を得る過程でただパーソナリティの話も話題に出しているに過ぎないのです。
「人柄が良いかどうか」と「説明されている商品が良いかどうか」は無関係
さらに続きです。
「人柄が良いかどうか」と「説明されている商品が良いかどうか」は無関係です。
どうしても「良い人が教えてくれるモノは良いモノ」と考えてしまいがちですが、そこはドライになる必要があります。
その人自身は信用する(=「目の前の人が悪い人ではない」とジャッジする)のはOKですが、「そこで説明されている商品も良い商品である」とジャッジするのはダメ、というか切り分けて考えないといけない、ということを念頭に置いておきましょう。
「教えてくれた知識が正しい」と「説明されている商品が良いかどうか」は無関係
さらにさらに続きです。
「教えてくれた知識やロジックは正しい」が、「だからその商品を買うべきというロジックは正しくない」ということがあります。
めちゃくちゃ雑に喩えてみます。
- あなたはりんごジュースが飲みたいです
- りんごジュースを作るには”しかるべき果物”をゲットする必要があります
- だからオレンジを買いましょう
“しかるべき果物”ってところで抽象度をあげたり論点をズラしたりして、最終的なアクションが実はおかしい、というパターンです。
ここまで雑だとおかしいことには気づきますが、1.と2.も「それっぽい説明」になっているし、2.と3.も「それっぽい説明」になっている気がします。
別の例を見てみましょう。
- あなたはりんごジュースが飲みたいです
- りんごジュースを作るには”これこれこういう理由で”実はオレンジをゲットする必要があります。あなたが理由を知らないだけなのです。
- だからオレンジを買いましょう
2.3.は完全に話が通っているので、あとは2.の“これこれこういう理由”を通せるかどうかが問題です。
“これこれこういう理由”のところには大抵、金融知識などのあなたが知らないあるいは詳しくない内容が当てはまります。
などの甘言により心理的なハードルを下げていきます。
と言われたら
と思ってしまうのも無理はないです。
ここまで分解すると話は簡単で、「自分がよくわかっていない商品を買うのか?」という話に落ち着きますね。(答えは当然NO)
「知人の紹介=詐欺ではない」ではない
1つ具体的に注意しておくべきなのは、「知人の紹介=詐欺ではない」ではない、ということです。
どういうことかというと、あなたに詐欺師(かもしれない人)を紹介してしまったその知人も、100%善意で紹介している可能性があります。
この「紹介」で繋がっていくビジネス形態って、いわゆるネットワークビジネスと呼ばれるものですね。
さらに会員制だったりノルマがあったり紹介者にマージンが入る形式だと、マルチ商法と呼ばれたりもしますね。
ネットワークビジネス自体は1つのビジネス形態に過ぎず違法ではありませんが、そこで取り扱われている商品が詐欺であるパターンが多いです。
もちろん、それはコンテンツ次第なので、良い商品が紹介で回っていくこともあると思います。
まぁ、さらに端的に言うと「善意=善」ではないということですね。
カフェだからプライベート、ではない
商品の売り込みは、たいていカフェで行われます。
カフェで行われる理由は以下のようなものがあると思います。
- 事務所のような堅い場所ではない明るくオープンな場所にすることで、相手の警戒心を解く
- 「ビジネスではなくプライベートである感」を出して、相手の信用を獲得する
- 適度に雑音があるため、お互いにしづらい話をできてしまう
僕自身、1人でカフェで作業をすることがあるのですが、聞き耳を立てているわけではなくても周りの会話の内容が聞こえてくることがあります。
保険や投資の説明(ぶっちゃけ売り込み)や、怪しい話をしている場面を何回も聞いたことがあります。
いつもこう思いながら聞いています。
特に、土日の朝〜昼の時間帯に多い気がしますね。
一人暮らしっぽい人もいれば、夫婦の片割れパターンもありました。
夫婦の片割れパターンは特に危険で、片方の信頼が獲得されてしまった場合、2対1ではなく1対2になってしまいます。
奥さんが「夫と相談して決めるからちょっと安心」と思い、夫が「奥さんが連れてきた人だから悪い人ではないだろう(?)(2つ上の話)」と思ってしまうパターンです。
カフェのような日常にありふれた空間だからこそ、そこで扱われる商品の非日常性にはよくよく注意するようにしましょう。
相手は「商品を売れるか」しか考えていない
世の中の詐欺師・悪徳商業者は「まずはあなたと話をしてみたいですね」とか「あなたと話していると楽しいですね」みたいなウソ(ウソではないが、話す口実や安心させる甘言)は平気で吐きます。
そしてその上で、「この人に商品を売れるか」しか考えていないです。
かつそのことをあまり悟らせないような自然さを持ち合わせています。
「悪い人ではない」のバイアスは無意識にかかる
これは「気をつける」とかそういう類の話ではないと思ってください。
意識の問題ではありません。
「この人は悪い人ではない」のバイアスは無意識にかかるのです。
- ビジネスではなくプライベートの話もしているのだから
- あの人が紹介してくれた人なのだから
- 知識に基づいた話をしているから
- しっかり考えてそうな人だから
- 数時間も話したのだから
- 何かをgiveされたから
- 話をしていて良い人そうに見えるから(?)
最初に述べた通り、彼らは雑談がうまいのです。
どれだけ警戒心をもっていても、上記のようなパターンが脳内でいくつか組み合わさり、知らず知らずのうちに「冷静に判断した上でこの人は悪い人ではない」とジャッジしてしまうのは簡単に起きてしまいます。
3点目に挙げた通り、「人柄が良いかどうか」と「説明されている商品が良いかどうか」は無関係なので、商品の品定めを正しくできれば問題はないです。
が、1つ目のハードル越え(人柄判断)を許してしまうと、簡単に商品まで信用してしまうので、正直に言ってかなり危ないです。
「人の紹介でモノを買おうとしている」という旨を、ある程度距離が近くない第三者に相談するなど、対策をとりましょう。
「距離が近くない」ことを勧める理由は、一定以上の親密な関係であればドライでクールな意見を言ってくれない可能性があるためです。
「話している相手は頭がいい」という意識を刷り込んでくる
世の中の詐欺師・悪徳商業者は、会話の各所で「相手は頭がいい」「ちゃんと考えている」「軽率ではない」という意識を刷り込んできます。
ただ商品の説明をするだけでは、ビジネスとしての関係性が保持されます。
「自分でも調べてみた」という発言をすることによって、ビジネスではなくプライベート(=個人)の会話に戻ったように見せることができます。
これは、「自分でも調べた」という事実の有無が問題なのではありません。
この発言によってビジネスの雰囲気が緩和されてしまうことと、相手のことを信用する一因になってしまう、ということが問題なのです。
冒頭でも述べた通り、心理的に「最終的に自分で選んだ」という納得感がある方が実際の購入に繋がります。
「調べてみて」という発言はあなた自身のことを気遣ったアドバイスではなく、あなたに納得感を醸成させるための営業トークだと思ってください。
距離が近くない第三者に相談しろ!
いかがでしたでしょうか。
僕が伝えたかったメッセージを端的にいうと、「騙されるな」ってことなのですが、騙されるとわかっていて騙される人はいないです。
「自分は違う」「このパターンは違う」「この人は違う」などの思い込みにはまっていることを自分が知覚することは不可能です。(脳の仕様です)
「僕がカフェで『明らかに騙されてるぞー』と思っていても、本人は全く思ってない」ということは平気で起こりうるのです。
対策としては繰り返しになりますが、少しでも心当たりがある場合は自分で情報収集するだけではなく、ある程度距離が近くない第三者に相談するという対応をしてほしいです。
それでは。
チャイフ