「世界は夢組と叶え組でできている」はものごとの捉え方を提案してくれる本

こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。

さっそくだが、「世界は夢組と叶え組でできている」という本を読んだので、この本から僕が学んだこと、どんな人に読んでほしいか、などを書いていきたいと思う。

それでは!

「考え方」を見せてくれる「考え方屋さん」のような本

僕はこの本を甘く見ていた。

「世界は夢組と叶え組でできている」は桜林直子さん(@sac_ring)の著書だ。僕が所属していたオンラインコミュニティ「ライフエンジン」(2023年にサービス終了済み)のチャットで3年前に名前を見かけて、気にはなっていたものの、他に積み本があったりして読めていなかった。

タイトルやいろんな人の感想から「やりたいことがない人でも、『叶え組』として『夢組』をサポートしていくこともできる」という内容なのだと思っていた。

それは間違いではないけど、実際に読んでみてわかったことは「この本が言いたいのはそこじゃない」ってこと。正確には、それだけじゃない、かな。

この本のラスト2ページくらい。

お気に入りの考え方を採用するのは、誰でも、タダで、今すぐにできる。失敗してもなんどもとり替えていいし、そのやり方があったかとどんどん新しく足していけるし、いいよね。(中略)わたしは考え方屋さんになりたい。

本書では、ありとあらゆる「考え方」が紹介されている。「夢組」「叶え組」というのも、「誰しもがやりたいことを叶えなければいけない」という視点を変えてくれる「考え方」だ。

この本に書かれている内容は、全て桜林さんが実際に考えたことの言語化である。しかも、1日や2日で出てきた思いつきではなく、2年とか、小学生の頃から、とかずーっと考え続けた結晶らしい。そんな数年あるいは十数年モノのアイディアを、僕たちは読んだだけで借りられるのだから、非常に価値が高いと思う。

この本のメインターゲットは「やりたいことがわからない」人だと思うが、そうではない多くの人にとっても、救いになるはずだ。

印象に残った「考え方」

桜林さんは「考え方屋さんになりたい」とおっしゃっているが、少なくともこの本の中ではすでに”考え方屋さん”だと思う。

そこで、僕が”考え方屋さん”からテイクアウトした「考え方」をいくつか紹介する。

やりたいことを「時間を何に使うか」で考える

「やりたいことは何ですか?」と尋ねられると、僕はウッとなってしまう。「夢」「やりたいこと」「目標」その辺りのワードに対して、「100点満点の回答をしなければいけない」と構えてしまうのだ。大きなことは思いつかないし、小さなことは夢と呼んではいけないのではないかと。要するに、こじらせているのだ。

そんな僕に「やりたいことを『時間を何に使うか』で考える」という考え方は目から鱗だった。

極端なことを言うと、人生はただの時間だから、死ぬまでの時間を何に使うか、誰といるかがすべてだと思う。

完全に同意だ。結局は人生をどうしたいか、つまり細かく見れば時間の使い方なのだ。表現を変えただけなのに、こんなにも気がラクになるものか、考えやすくなるものかと驚いた。

オタクとヤンキーと、どちらでもない人

「夢中になれる人」には、コンテンツに夢中になる「オタクタイプ」と、仲間に夢中になれる「ヤンキータイプ」の2種類がいる、という。比喩が絶妙でわかりやすい。

ここの「考え方」がすごいのは、「どちらでもない/どちらもある人」の存在を見出しているところだ。どちらでもない人は、先の2タイプたちの間に入って、運営したりマネジメントすればいい。そのほうが感謝もされるし、チームで動けて色々できるし、自分に合った役割があると思えると、貢献できる。

何かに夢中になれないからってしょんぼりしなくもいいという救いがあるな、と思った。

不満は財産、不安は鍵

これ、マジですごいです。

「不満」は字のごとく「満足」が不足しているので、不満をうまく掘ると満足への道につながる。

「不安」は「安心」が不足しているので、「何かが不安だ」という相談のときは、具体的に何が不安なのかを一緒に探る。

社内のいろんな人から相談を受ける不満や不安を書き連ねてリストにして、裏返して「これをやれば満足リスト」に変換。それを自分で実現するために、会社を辞めて実践したそうだ。サラッと書いてるけど、その発想もすごいし、書き溜めるという過程がすごいし、会社を辞める選択もすごすぎて言葉にならない。

また、文脈も違う別の章だが、このようなことも書かれている。

怒りも、大事なものが傷つけられたときに起こる感情なので、よく観察すると、大事なものが見えるヒントになる。

マイナスのエネルギーも、少し見方を変えるだけで活かせる財産になる。これは単に「気付くか気付かないか」「その考え方をできるかどうか」だけなのだ。

「自分を知る」とは、「原液」を知ること

自分のことは自分ではよくわからない。誰かに「君はこんな味だよ」とか「こんな色だよ」と教えてもらう必要がある。そしてそれは、誰に見てもらうかが重要になる。

自分の性質には、クセや強み・弱み、価値観や性格など様々あるが、それらは大抵の場合、自分では発見できない。信頼できる誰かのフィードバックをもらって、気づいていく。それだけならよく言われる話だが、「原液」の喩えが秀逸なのはここからだ。

原液は人によってちがう。ただ、すこしややこしいのは、味の感じ方も人によってちがうのだ。子供の頃や若いときに「あなたはこういう味だよ」と誰かに言われたことは、かなり大きな影響がある。ほんとうかどうかは自分ではわからないから、うっかり信じてしまう。「あなたはだらしない人間ね」と言われたら、うまく掃除ができなくなってしまうように、できることもできなくなってしまう力がある。

自分の性質に対して、大前提として「確定的な変わらないもの」という思い込みがある。この思い込みは、誰かに「あなたはこういう性質である」とジャッジされたら、それが固定化されてしまう危険性を秘めている。

僕も実際これはあって、この記事に、似たようなことを書いている。

友達の「抜けがけかよ〜笑」が大人になるまで呪いになっていた話

2021.05.08

自分の本質・性質はいわば「原液」で、それは見る人・感じる人によって見え方や感じ方が変わると知っておくと、気がラクになる。

ゆるいスタンスで読んでみてほしい

今回紹介したのは4つだけだが、他にも素敵な考え方がたくさんある。それに、ここでは紹介しきれなかった文脈をぜひ味わってほしい。

もしあなたがこの本を読んでみたいと思うなら、「この本からノウハウを得るぞ!」といった肩肘張ったスタンスではなく、桜林さんと雑談をするようなゆるいスタンスで、この本を読んでほしい

冒頭でも述べた通り、この本は「こういう考え方もあるよ」と提案をしてくれる。「やりたいことがわからない人」以外にも、何かに迷っている人、人間関係に悩んでいる人、自分のことを知りたい人など、幅広い人にとっての生きるヒントになる。

ちなみに、読了にかかった時間は、2時間半だ。難しい言葉は使われておらず、むしろ平易でわかりやすい表現ばかりだ。読書に苦手意識がある人でも、いや、読書に苦手意識がある人にこそ、読んでほしい。

それでは。

チャイフ

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