こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。
あなたは、リーチをすることの意味を正しく理解できているでしょうか?
今回は、リーチをすることの意味について考えてみます。今回はザ・座学って感じの内容になるので退屈かもしれませんが、お付き合いください。
それでは!
Contents
期待値を大きく変化させる”リーチ”をコントロールせよ
麻雀で長期的に勝つために重要なことの1つが、期待値の計算です。
実際の数字を見た方がわかりやすいと思います。くじ引きを例にとって説明してみます。
- パターンA
- 100枚に1枚当たりがある
- 当たれば100万円がもらえる
- 期待値:1,000,000円 x 1% + 0円 x 99% = 10,000円
- パターンB
- 100枚に50枚当たりがある
- 当たれば150円がもらえる
- 期待値:150円 x 50% + 0円 x 50% = 75円
このように、確率が低くても対価が大きければそこにベットする価値はありますし、確率が高くても対価が小さければベットする価値は小さいかもしれないのです。
期待値の計算をするためには、自分の判断が生むあらゆる結果を予測できることが必要です。麻雀における”結果”とは、「どのように点数が移動するか」と「その確率」です。
リーチをかけることが場に与える影響は非常に大きく、リーチの有無によって期待値は大きく変化します。リーチをかける意味を理解し、コントロールすることが、麻雀での長期的な勝ちにつながると言えます。
リーチに発生する事実
まず、リーチをすることによる、解釈を含まない事実を列挙してみましょう。
- 役ができる
- 1,000点を支払う
- 聴牌宣言である
- ツモ切りしかできなくなる
- アガった時に裏ドラを見れる
1つずつ、意味を解釈していきます。
役ができる
リーチをすると、役ができます。
これは、リーチをする最大のモチベーションだと思います。「役なしではロンできない」というのが麻雀の基本ルールですので、役なし聴牌時にはリーチをすることによって期待値が大きく向上します。
こちらの記事でも、役なしの場合はリーチの比重が大きくなっています。もちろん他の判断材料によって異なりますが…
むしろ考えるべきなのは、役あり聴牌の場合ですね。役あり聴牌の場合に、「本当にリーチすべきなのか?」はよく考えた方がよいです。その判断材料が、この後の4つの要素です。
1,000点を支払う
リーチをすると、1,000点を支払うことになります。
1,000点を支払ったとしても、自分がアガれば回収できます。流局した場合も、ノーテン罰符をいただけるので、多くの場合はさほど問題はありません。
問題は、自分がアガれなかった場合です。当たり前ですが、着順が下のプレイヤーとの点差が900点以内だった場合、リーチ棒を出すことによって着順が逆転してしまいます。その場合、他家がアガったとしても、そのままの着順で局が進んでしまいます。
特に、「オーラスでリーチ棒を出してまくられる」のはかなり悪手なので、気をつけましょう。
聴牌宣言である
リーチをすると、他家に対して聴牌宣言をすることになります。
これの良い点は、他家にプレッシャーをかけて、手を遅らせることができることです。そうして時間を稼いでいる間にツモれたら一番いいし、もちろん誰かがアタリ牌を切ったらそれはそれで良し。
これの悪い点は、追っかけリーチをされたら逃げられないことです。それについては後述します。
ツモ切りしかできなくなる
リーチをすると、ツモ切りしかできなくなります。
「立直」という役をゲットできる代償ですね。
1つ目のリスクが、手替わりができなくなることです。具体的には「ツモに対して、手牌を入れ替えられない」「鳴けない」ということですね。
2つ目のリスクが、「オリれなくなる」ことです。起きていることは「ツモに対して、手牌を入れ替えられない」という意味で前述と同じです。
これで何が困るかというと、追っかけリーチをされたら逃げられないことです。
例えば自分が1,300点でリーチをして、相手が8,000点(結果論)でリーチをしてきたら、めちゃくちゃ不利ですよね。自分はアガったとしても1,300点なのに、相手はアガったら8,000点です。しかし、2人ともツモ切りをするのは同じなので、アガれる確率は(雑に言えば)同じです。
これは、「期待値が低い」ことに他なりません。したがって、役がなかったとしても、点数が低い場合や待ちが悪い場合にはリーチをするべきではない、かもしれないのです。「かもしれない」と言った理由は、「追っかけリーチさえされなければ問題ないから」ですね。
難しいですね。笑
アガった時に裏ドラを見れる
リーチをすると、アガった時に裏ドラを見れます。
裏ドラを見れるということは、点数が高くなる”かもしれない”ということです。これは、「聴牌宣言により他家にプレッシャーをかけて、手を遅らせることができる」の大きな理由です。
もしもこの運要素がなかったなら、表ドラと赤ドラが全て見えているプレーヤーからは「手が安いだろう」と読まれてしまいます。
リーチをするかどうかの判断というよりは、この裏ドラという運要素を忘れず、しっかりリスクマネジメントしていこう、という教訓ですかね。
リーチの意味を理解した上での考察
リーチの意味を理解したところで、リーチすべきかどうかを、役の有無だけで場合分けして考えてみます。
役がある場合
役ある場合は、大前提として、ダマテンの方が和了率が高いです。確率だけを考えるならば毎回ダマテンの方がよいでしょう。
一方、リーチをすることによって「役ができる(1翻増える)」「裏ドラを見れる」ので、シンプルに打点が向上します。
リーチをしない方が「和了率」が高い。リーチをする方が「打点」が高い。それぞれの選択のどちらが期待値が高いと予測するかは、ケースバイケースになりますね。”1局だけの期待値”ではなく、”半荘や東風での期待値”を考えるべきです。
「安手でもアガる」メリットが大きい場合などは、和了率を重視してダマテンにした方がいいかもしれません。
逆に、「少しでも高い手をアガる」メリットが大きい場合などは、打点を重視してリーチをした方がいいかもしれません。
- 自分がラス候補で、局数が少ない
- なんとかして1位をまくりたい
- 3,900点などの手で、リーチにより点数が大きく向上する
役がない場合
役ない場合は、大前提として、リーチをした方が和了率が高いです。
確率も打点も高いのであれば、いついかなる時もリーチをする方が期待値が高いように見えますね。
前述の通り、リーチには一定のリスクが伴います。「ツモ切りしかできなくなる」ですね。期待値には、マイナスの計算も含まれます。
「リーチのみの役なしドラなしペンチャン待ち」vs「満貫の3面張」で追っかけリーチ対決をされた場合を想定して、リーチをする場合とリーチをしない場合の期待値を雑に試算してみます。
- 期待値の合計:-2,667点
- ツモアガリの期待値:2,000点 x 10% = 200点
- ロンアガリの期待値:1,300点 x 20% = 433点
- 流局の期待値:500点 x 20% = 100点
- 2人テンパイで1,500点の収入とリーチ棒との差額
- ツモされる期待値:-2,000点 x 10% = -200点
- ロンされる期待値:-8,000点 x 40% = -3,200点
- 期待値の合計:-1,409点
- ツモアガリの期待値:1,100点 x 1% = 11点
- ロンアガリの期待値:0点 x 0% = 0点
- 流局の期待値:-1,000点 x 80% = -800点
- 1人テンパイで1,000点の支出
- ツモされる期待値:-2,000点 x 15% = -300点
- ロンされる期待値:-8,000点 x 4% = -320点
リーチをせずオリるということは、アガりに向かわないことであり、点数が増える確率はほぼゼロであり、当然期待値はマイナスになります。しかし、不利な局面でリーチ合戦をする方が、期待値のマイナスが大きいのです。
もちろん、相手の手もそれほど良くない場合や、そもそも追っかけリーチをされない場合は、リーチをする方が期待値が高いはずです。
「リーチをするべきかどうか」という問いに対して「役があるかどうか」だけで判断できないのはこのためです。あらゆる情報を加味して判断することになるため、手牌だけ渡されて「リーチすべきかどうか」を質問されても、「ケースバイケース」という答えにならざるを得ないのです。
リーチによるリスクとリターンのバランスを掴め!
いかがでしたでしょうか。おさらいです。
- 役ができる
- 1,000点を支払う
- 聴牌宣言である
- ツモ切りしかできなくなる
- アガった時に裏ドラを見れる
今回僕は「期待値」という単語を使って数値で説明をしましたが、要はリーチをする/しないによるリスクとリターンを考えろ、ということです。
リーチをしたらどのようなことが起こりうるか。それによって自分は利益を得るのか、損失を被るのか。リーチに限らず全ての打牌にこの判断がつきまといます。
一打ずつで見ると気付かないほどのほんのわずかな差ですが、100戦、200戦と続けていくと戦績に明らかな差が出てきます。これが「実力」と呼ばれるのかもしれません。
一旦、麻雀記事の連載は今回までとしたいと思います。あなたの雀力が少しでも向上することを願っています。
それでは。
チャイフ