【プロジェクトマネジメント】”知っている人”を連れてくる重要性【問題解決力】

こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。

プロジェクトマネージャーがいかに大変かを説明する連載記事です。

今回は、問題発生時の6段階のPM思考フローを公開します。特に強調したいのが、”知っている人”を連れてくることの重要性についてです。

プロジェクトマネージャーには発生した問題を解決する責務がありますが、自分が手を動かす必要はありません。むしろ、自分が手を動かしてはいけないです。

そんな中で、どのような思考フローでソリューションを構築すればいいのか、考えていきましょう。

それでは!

プロジェクトマネージャーとは?

そもそも、プロジェクトマネージャーとはどんな仕事でしょうか?

細かい所掌範囲や定義は会社によって異なるとは思いますが、共通する要素としては、「納期までに成果物を完成させられるように、プロジェクトをマネジメント(≒管理)する」仕事ではないでしょうか。

そのために、例えばこんな業務が挙げられるでしょう。

プロジェクトマネジメントに求められる業務

プロジェクトマネジメントに求められる業務

  • キックオフ
    • クライアントの要望から計画の立案
    • 全体スケジュールの作成
    • 担当メンバーのアサイン
  • プロジェクト推進
    • マイルストーン管理
    • 担当メンバーの進捗管理
    • 担当メンバーのモチベーション管理
    • プロジェクトのコスト管理
    • クライアントへの進捗報告
    • 問題発生時の対応
  • クロージング
    • 納期の調整
    • 成果物の取りまとめ
    • クライアントへの成果報告

プロジェクトに関わるあらゆることを調整するので、必然的にお客様(クライアント)、プロジェクトメンバー、下請け、社内の上司などあらゆる人とのコミュニケーションが発生します。したがって、情報をまとめる能力・的確に説明する能力・折衝能力・リスクを察知する力・決断力・問題解決力など、様々な適性が存在します。

【書籍紹介】『プロジェクトを変える12の知恵』の重点項目6選

2020.08.16

トラブル発生時の問題解決力が重要

プロジェクトにおいて、トラブルは100%発生するものだと知る

まず大前提として、 プロジェクトにおいて、トラブルは100%発生するものだと知ることです。

「トラブルが発生しないこと」を基準にしてしまうと、トラブルが発生するたびに落ち込んだりストレスを感じてしまうためです。

ただしこれはメンタルの観点で知っておくとよいだけで、実務としてトラブルが発生しないように対策を打っておくことは言うまでもなく重要です。

「トラブルは発生するもの」という諦めと、「できるだけトラブルを発生させない」という計画性を同居させましょう。

トラブル発生時に問題解決方針を早く構築できることが重要

ただ、今回の記事では「できるだけトラブルを発生させない」という事前の計画性については言及しません。「トラブル発生時にどう対処するか」 という事後の対応について言及します。

どんな業種・どんなプロジェクトにも必ず存在する要素がメンバー、つまり人です。そこで、発生したトラブルの対処を「誰がやるか」という基準で考えていきます。仮にBacklogにチケットを作成したとした時の「担当者」を誰にするか、というイメージです。

その問題に取り組む担当者、つまり”知っている人”はどこにいるのでしょうか?

基本的には「自分がやらない」

考え方のフロー・順番をこれから記載するのですが、基本的には「自分がやらない」ことが鉄則です。これを忘れてはいけません

あなたはマネージャーです。マネージャーがやるべきことは、全体を把握しておくことです。例外的に短期的に手を動かして”プレイする”ことはあっても、タスクに従事することはイレギュラーだと考えてください。

もちろん、「お客様への報告資料作成」とか「全体方針の策定・修正」などの上位レイヤーに関わるタスクであればむしろPMが実施するべきですが、細かなタスクは自分で担当しないように意識しましょう。

「万策尽きる」のはまだ早い

少し余談をします。

『SHIROBAKO』という、アニメ制作の裏側を描いたアニメがあります。いわばアニメ制作におけるプロジェクトマネージャーみたいな「デスク」という仕事・役職があるのですが、「デスク」を担当する本田さんがよく劇中で”万策尽きて”います。

(©︎アニメ『SHIROBAKO』by P.A.WORKS.)

万策尽きる:あらゆる手法、手段を試してみたがいずれも効果がなかった事や選択可能な方法全てやりつくしてしまいそれ以上打つ手がなくなってしまった事を意味しています。

しかし、主人公の宮森あおいをはじめとする制作陣があの手この手で問題を解決しようとします。例えば、フリーのイラストレーターにひたすら電話して仕事を巻き取ってもらったり、大御所のアニメーターにヒアリングをしたり、現場に直接行って交渉をしたり。

このように、問題に対する対策は発想次第で選択肢を広げることができます。「万策尽きる」のはまだ早いです。

(『SHIROBAKO』についてはネタバレありの映画感想記事も書いていますのでよろしければぜひ。)

【ネタバレあり】劇場版 SHIROBAKOを見た【感想記事】

2020.03.02

問題解決の優先順位

さて、問題解決の優先順位を「誰がやるか」という基準で見ていきます。

1.対応しない

最初の選択肢、「対応しない」です。

Backlogの「完了理由」のデフォルト設定に「対応しない」の項目が存在します。僕はこれを初めて見たとき、どういうことかピンと来ませんでした。

しかし、これは非常に重要な考え方です。

「対応しない」という発想がないと、元請の要求事項を全て受けてしまうことになります。どんな仕事もタダではありません。一定の工数がかかれば、それに応じたコストと時間がかかります。それを管理するのがプロジェクトマネージャーの仕事でもあります。

「お客様に迷惑をかけない」ことがPMのミッションではありますが、「要求事項を全て受けてしまう」ことはそれとイコールではありません。なぜならコストと納期を犠牲にすることになるからです。もちろん、全部タダでやるのは自社にとってマイナスにしかなりません。

「対応しない」は誰かが判断しなければなりません。多くの場合、その判断はプロジェクトマネージャーが行います。「そもそも目の前の問題はプロジェクトのために解決すべきか?」というフィルターを自分の中に持っておくことが非常に重要です。

考えた結果「対応すべきだ」となった場合は、2.から検討を始めます。

2.自分が知っている

目の前の問題を解決すべきだと判断した場合には、まずは「その解決策を自分が知っているかどうか」を問いかけます。

NOであれば、すぐに3.に移行します。YESであれば、次の問いかけに入ります。それは「すぐに終わりそう(30分以内に終わる)かどうか?」です。YESであれば、自分でやってしまえばいいです。しかし、NOであれば、もはや他のメンバーに委託するべきなので4.に移行します。

その解決策を自分が知っているかどうか
  • 「自分がやり方を知っている」かつ「すぐに終わる」:自分でやる
  • 「自分がやり方を知っている」かつ「すぐに終わらない」:4.へ
  • 「自分がやり方を知らない」:3.へ

3.Googleが知っている

自分が知らない場合は、Googleで検索してみます

Googleで検索してやり方がわかった場合は、同じ流れで「すぐに終わりそう(30分以内に終わる)か?」を問いかけます。YESなら自分でやればいいですし、NOならやはり他のメンバーに委託するべきなので3.に移行します。

その解決策をGoogleが知っているかどうか
  • 「Googleがやり方を知っている」かつ「すぐに終わる」:自分でやる
  • 「Googleがやり方を知っている」かつ「すぐに終わらない」:4.へ
  • 「Googleがやり方を知らない」:4.へ

4.PJ内のメンバーが知っている

自分が解決法をわからず、Google検索しても見つからなさそうであれば、PJ内のメンバーが解決法を知っているかどうかを確認します。

少なくともここまでは、すぐに検討すべきです。1.2.で止まってメンバーにソリューションをヒアリングをしない時間は全てロスになってしまいます。

繰り返しになりますが、発生した課題は基本的に自分でやらないことです。1.2.でやり方がわかっていたとしても、それを自分以外のメンバーが対応できるなら、その誰かに対応を委託するのがマネージャーの仕事です。

Backlogのチケットを作成し、対応できそうなメンバーの誰かを担当者に設定します。この際に誰が適切かは、能力やリソースを考慮して判断します。

もしPJ内のメンバー全員にヒアリングして、誰もソリューションを持ち合わせていなかった場合は5.に移行します。

5.PJ外のメンバーが知っている(ヘルプ、アサイン)

PJメンバーも答えを持っていなかった場合、社内のPJ外メンバーに声をかけます。多くの場合、普段のコミュニケーション量が少ない領域になるので、少し心理的ハードルが高くなるかもしれません。

しかし、「知見のないPJ内メンバーがわからないなりに頑張ってやる」よりも、「知っている人を見つけてくる」ことができたなら、それに越したことはありません。

例えば、こんなケースが考えられます。

「知っている人を連れてくる」例
  • よりドメイン知識がある(そのジャンルに得意な)経験者に頼る
  • 海外の案件時に、海外案件の経験者にヒアリングする
  • ネットワークやハードウェア周りで、情シスに頼る
  • 物品購入に伴う経費に関する情報で、経理の協力を得る

PJ外メンバーに頼るのは難しいと思いますが、これをうまくできるかどうかがマネージャーの力の見せ所です。

このために何ができるでしょうか。例えば、普段からPJをまたいだメンバーとコミュニケーションをとっておくこと。気にせず突撃して聞いて回ること。Slackのような便利なコミュニケーションツールを導入していること。

マネージャーとして、担当するプロジェクトのために課題を解決することに全力を尽くしましょう。手段を選んでいる場合ではありません。使えるリソースは使うのです。

もし社内のめぼしい範囲のメンバーの中に解決法を知っている人がいなかった場合、6.に移行します。

6.社外が知っている(外注)

社内メンバーも答えを持っていなかった場合、社外に答えを探しにいきます。つまり、外注です。

外注を視野に入れるならば、可能性は無限大です。極端な話、世界中の企業が答えを持っていない場合は「その問題は今の技術力では解決不可能」と判断できるからです。プロジェクトを遂行する上での課題解決手段として、外注という選択肢も持っておくようにしましょう。

一方、外注には様々なリスクが伴います

外注に伴う様々なリスク
  • ベンダー選定のリスク:その要件を解決するためのQCDを担保してくれるベンダーを見極められるか
  • 契約に関するリスク:再委託許諾の確認、NDA締結、要求要件の作成コスト、見積書内容確認コスト、その他前提条件の確認コスト
  • コミュニケーションコスト増加のリスク:進捗確認コスト、成果物確認コスト
  • キャッシュが流出するリスク

性善説に基づくならば外注先も真摯な対応をしてほしいものですが、世の中にはいろんな体質の企業が存在します。「本当に見積範囲しかやらない」「やるけどクオリティを担保しない」など…

個人でも「相手もわかってくれるだろう」が原因で認識齟齬が起きるのと同じように、法人同士のやりとりでも「やってくれるだろう」は危険な発想です。「どこまで契約で縛らなければならないか」という感覚は企業ごとに異なるため、外注する際は必要以上に慎重になるように意識しましょう。

「確定申告のやり方」で考えてみる

1.〜6.の発想のフローを少し練習しましょう。わかりやすく、個人で発生する問題の例として、「確定申告のやり方がわからない」を挙げてみます。

まず「そもそも確定申告をやるべきか?」を考えます。サラリーマンの方で「年末調整で十分だ」と考えるならば「対応しない」でもいいですし、節税のためあるいは正しい納税のためにやるべきだと判断すればやりましょう。

次に「自分がやり方を知っているか」ですね。知らないという前提なので、3.に移行します。Googleで「確定申告 やり方」なんかで検索したらいっぱい出てきますね!しかしその膨大な情報を調べて把握して実践するのはかなり時間がかかりそうですね。できそうならトライするもよし、キツそうなら4.に移行します。

個人でいうところの「PJ内メンバー」とは誰でしょうか?もしかしたら、家族かもしれません。家族の中に確定申告に慣れている人がいたら、すぐに頼れますよね。まずはヒアリングしてみて、いなければ5.に移行です。

個人でいうところの「PJ外メンバー」とは誰でしょうか?もしかしたら、友達や同僚かもしれません。家族ほどフランクには訊けないにしても、確実に頼ることができる関係性のはずです。もし友達や同僚の中にも知っている人がいない、あるいは手伝い・代行してくれる人が見つからない場合は、6.に移行します。

家族も友達・同僚も”知っている人”が見つからない場合は、最終手段、外注ですね。「税務署に相談しに行く」もアリですし、直接「フリーの税理士に外注する」もアリかもしれません。言われてみれば誰しもが取れる手段のはずですが、仕事でも個人でも、なかなか見落としがちな発想ですよね。

「対応しない」と「外注する」というやや意外な発想

いかがでしたでしょうか。

「1.対応しない」と「6.外注する」が慮外の発想かと思います。どうしても「自分でやる」か、良くても「近くにいる人に聞いてみる」までで「万策尽きた」と考えてしまいがちです。

しかし、”知っている人”はどこかに必ずいます。諦めるのはまだ早いはずです。まずはGoogleで検索してみる。近くの人に聞いてみる。それで無理なら、少し腰が重くとも、”知っている人”がいないかキョロキョロと探してみましょう。

それがプロジェクト成功のためならば。

それでは。

チャイフ

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