こんにちは、チャイフ(@chaif123)です。
あなたはボルダリングってやったことありますか?
数年前に流行った気がするので、ちょっとやったことある人は意外と多いかもしれません。「よくわからない」で続けない人や、同じ理由で1回もやったことがない人も多いでしょう。
僕が友人をボルダリングに連れていくと、たいてい驚かれます。
「めっちゃ頭使うやん」と。(まぁ筋肉も使いますけど)
今回は、ボルダリングがそんな「頭を使うスポーツ」である理由について解説していきます。
Contents
ボルダリングとは
ボルダリングは、英語でboudering、「岩」という意味があります。
壁に取り付けられた「ホールド」という名の出っ張りを使って、室内で5m程度の壁を登る(のぼる)スポーツですね。
「スタート」のホールドを両手で掴んで足を地面から離したらスタート、「ゴール」のホールドを両手で掴んで安定できたら完登です。
いまや2020年東京オリンピックで種目に選ばれるほどのメジャースポーツとなって、僕は嬉しいです。(ほっこり)
2020年秋クールのアニメ「いわかける!」も絶賛放送中ですのでご注目ください。
ボルダリングは特に総合力が必要なスポーツ
ボルダリングは、スポーツクライミングの1つで、他に「リード」「スピード」があります。
- リード:12m以上の壁、60手もの課題で「何手まで登れるか」を競う。持久力が試される。
- スピード:10mもしくは15mの壁で、最上部に設置された「ゴールのボタンを押すまでのタイム」を競う。瞬発力が試される。
- ボルダリング :5m以下の壁で、最大12手程度の課題で「課題を完登できた数」を競う。総合力が試される。
もちろんリードもスピードもいろんな能力が必要にはなるのですが、特にボルダリングが持久力、柔軟性、発想力、現場修正力、保持力、精神力など、様々な能力が要求されるかなと思っています。
ボルダリングのおもしろいところ:オブザベーション
さて、冒頭でもお話した通り、ボルダリングは「頭を使うスポーツ」だと思っているのですが、それを象徴しているのが、オブザベーションという要素です。
オブザベーションとは
オブザベーションとは、英語でobservation、「観察する」という意味があります。
ボルダリングの課題は、1つのホールドを数センチずらしただけで、難易度が一変します。
オブザベーションでやっていることとは、その課題全体の難易度や、どの部分が簡単で、どの部分が難しいかを把握し、それに対して自分がどんなムーブをすればいいか?をシミュレーションすることです。
課題が数学の証明問題だとしたら、オブザベーションは使う解法の選択です。
課題がプレゼンだとしたら、オブザベーションはアジェンダです。
課題がマラソンだとしたら、オブザベーションはペース配分です。
課題が旅行だとしたら、オブザベーションは旅程計画です。(?)
- ベルトコンベア方式:「5分間の競技」と「5分間の休憩」を交互に繰り返す。選手は5分間の競技時間でオブザベーションも行う必要があり、他の選手のトライを見ることができない。
- ワールドカップ決勝方式:1課題に対して全ての選手が「4分間の競技」を終えた時点で皆で次の課題に移る。他の選手のトライを見ることはできないが、全員で予め各課題を2分間オブザベーションすることができる。
遊びでやる分には時間は無制限ですが、大会ではこのオブザベーションをいかに「早く」「正確に」行えるか自体が、その選手の能力の一つにもなってきます。
これがマジで難しい。
なぜオブザベーションをするのか
なぜオブザベーションをするかというと、ズバリ「省エネ」です。
体力が無限にあるなら、とりあえず登り始めてから考えればいいのです。
しかし、(ボルダリングに限らずですが)実際にはトライごと・ムーブごとにどんどん体力を奪われます。何度も何度もトライしているうちに体力を失い、「登り方がわかったけど、疲れて登れない」というパターンは、いわば作戦ミスです。
したがって、ボルダリング選手にとって「課題を一撃で落とすこと」は圧倒的な有利を生み出します。(大会としてのポイントも高いですが、シンプルに体力を温存できる)
オブザベーションで何を観察するのか
一言でオブザベーションと言っても、選手たちは何を見ているのでしょうか。
ボルダリング課題の難易度・要求されるムーブを決定づける要素が以下の3つです。
- ホールドの種類
- ホールドの角度
- ホールド同士の配置
ホールドの種類は、有名どころでは6つ(5つ)あります。(他にもあるヨ)
- ガバ:ガバッと掴みやすく、力が入りやすい。
- カチ:とても浅い。4本指の第一関節をカチッと揃えて親指を添えて「カチ持ち」をする。
- ピンチ:絶妙にデカく、ぶら下がることができない。5本指で力を入れて掴むようなイメージで持つ。
- スローパー:slope(斜面)。楕円球のような形状で、掴みどころがない。掌全体でじっくり摩擦をかけて張り付く。
- ポケット:指2本などしか入らないような、穴の空いたホールド。
- ボテ:ハリボテ。上記のホールドを取り付けるための土台だが、これ自体を持つこともある。狭義ではホールドではない。
そして、ホールドの角度・ホールド同士の位置関係で難易度が一変します。
- 右→右→右にルートが設定されている課題では、どこかで手をマッチ(両手で持つ)するムーブが必要になります。
- 2m近く距離が離れたところにガバが配置されている課題では、ダイナミック(動的。跳んだり瞬発力を使う)なムーブや、ランジ(膝を曲げて、跳ぶ)ムーブが必要になります。
- 傾斜が少なく、カチホールドが多い課題では、スタティック(静的。体幹を意識して、ゆっくり重心移動する)なムーブが必要になります。
このように、課題の特徴を読み解き、取るべきムーブを正しく選択することが重要になります。
これがマジで難しい。(2回目)
そして最高に、面白い。
「自分に合ったムーブ」が正解ムーブ
いかがでしたでしょうか。
もう1つボルダリングが面白いところは、「課題に対して取るべきムーブ」が、十人十色であるということです。
身長が高いか低いか、柔軟性がどのくらいあるか、パワーがどのくらいあるか、それによって正解ムーブは変わってくるのです。
効率が悪くても、最適解じゃなくても、「登れたら正解」なのです。
自分で見つけた解法で登り切った時の快感は言葉に言い表せないものがありますよ。
2020年ジャパンボルダリングカップの決勝動画を貼っておきます。選手によって登り方が微妙に違ったりしているところに注目してもらえると嬉しいです!
それでは。
チャイフ
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