「ネガティブ」は過去・現在・未来に分けられ、過去を悲観する必要はほぼない

「ネガティブ」という言葉は広く使われているが、会話の中では粗い解像度で語られることが多い気がしている。

「ネガティブ」はどの時制に向けられるかで意味合いが異なる

「ネガティブ」の辞書的な意味は「否定的」「消極的」。ここに時制は定義されていない。

一方で、実際に使う際には、過去や現在や未来のそれぞれに対してポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかで区別できると思うのだ。

過去や現在や未来のそれぞれに対する捉え方
  • 満足:過去に対するプラス感情
  • 悔恨:過去に対するマイナス感情
  • 喜楽:現在に対するプラス感情
  • 怒哀:現在に対するマイナス感情
  • ワクワク:未来に対するプラス感情
  • 不安:未来に対するマイナス感情

上記は持論なので反論は認めるのだが、まぁ概ね間違いないと思っている。

今回は、その中でも「悔恨」と「不安」にフォーカスしたい。

「悔恨」はほぼ不要。「不安」はある程度あってもいい

僕の考える結論としては、「悔恨」はほぼ不要・「不安」はある程度あってもいいである。詳しく説明する。

過去を悲観的に捉える:悔恨

過去を悲観的に捉えること、つまり悔恨することはほぼ不要だと言いたい。

事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。

これは当ブログでも何度か引用しているニーチェの言葉。僕が好きな言葉の1つでもある。

過去というのは過ぎ去ったものであるので変えることのできない事実と思いがちだが、実際には「現在の自分がどう解釈するか」こそが真理なのである。

例えば、家にあるコップを割ってしまったとする。(それはまぁ変えようのない事実なのだが、)「コップを割ってしまって悲しい」というのが1つの解釈だが、「コップを割ってしまったが新しいコップを買い換える良い機会だ」という解釈もできるだろう。「悲しい」という感情自体は尊いものなので感じても良いのだが、今日も明日も明後日も来週も来月も来年もずっとずっと「悲しい」ままで”悔恨”し続けることには、さすがに疑問符を投げかけたくなる。

ある過去に対して、悲しい・落胆・怒りしか感じられないとしても、ずっとそれを続けるのはとてもオススメしない。ポジティブに転換させるのは才能(ストレングスファインダーの『運命思考』や『ポジティブ』など)が必要だから、無理にとは言わない。ただ、マイナス思考を無限ループしていても、本当に何も事態は好転しないのだ。

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さて、「ほぼ不要」と言っているからには、必要なこともある。「反省する」という1点において、過去を悲観的に捉えることは有意義である

先ほどの例で言うと、コップを割ってしまったことをいつまでも悲観する必要はないが、同じ失敗をしないための反省として、過去を振り返ることはしてもいいし、むしろするべきである。

その意味で、100%ポジティブというのもよくない。

過去に対しては80%ポジティブ、20%ネガティブくらいで捉えればいいのではないかと思う。

未来を悲観的に捉える:不安

未来を悲観的に捉えること、つまり不安を感じることはある程度あってもいい。

不安を感じるということは、表現を変えれば「慎重」ともいう。その考え方は「リスクを考慮する」ということに他ならないのだ。よく「最悪のケースを想定する」などと言われることもあるが、そのような想像力を発揮するには、未来を悲観的に捉えることは必須だろう。

未来に対して楽観的すぎるのも、少し考えればわかる失敗をしてしまったり、同じ失敗を繰り返す原因になりかねないのでよくない。

このように「不安を感じる」というのは悪いことではないのだが、「不安になりすぎて全く動けなくなる」というのもまた良くない。ある程度不安を抱えたまま、できるだけの対策をして、あとはリスク覚悟で前に進む、ということも時には必要かもしれないのだ。

過去に対してアクションをすることはないが、未来に対してはアクションが加わってくる分、ポジティブとネガティブのバランスは難しい。

重大な決断であればネガティブの割合を増やしたほうがいいかもしれないが、とりあえずはポジティブ60%、ネガティブ40%くらいのバランスで考え、「ネガティブ思考に絡まって動けなくなる」ことだけ注意していれば良いと思う。

過去と今はポジティブに捉え、未来はややネガティブに捉える

「現在」については言及しなかったが、「現在」についてはポジティブ100%でいいと思っている。ネガティブ思考は、過去には反省に使えるし、未来には慎重さとして使えるが、現在に対してはマジで何も産まないと思っている。「現在」をネガティブに捉えることで何か良いことがあるよというのを知っている人がいたら教えてほしい

その情報提供がなかったら、という前提で結論を下すとすれば、過去と今はポジティブに捉え、未来はややネガティブに捉えるでいいんじゃないか?

チャイフ

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