朝型・夜型という言葉がある。
が、その内容が正しく理解されないまま、「朝型・夜型」という言葉だけが一人歩きしてしまったせいで、夜更かしする人の免罪符になってしまっているように感じる。
「自分は夜型だから朝起きれなくても仕方がない」「自分は夜型だから夜の方が集中できるんだ」なんてことを宣うのである。
ということで、その偽りの免罪符に対してアンチテーゼを唱えていきたい。
それでは!
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「自分は朝が弱い」という自意識を27歳にして払拭した
僕は大学生の頃、というか生まれてから大学生を卒業するまで、ずっと朝が弱かった。高校までは「親に起こしてもらう」というのが当たり前になっていたせいかもしれない。大学に入ってからはわざわざ早く起きる理由が特になかったからかもしれない。早く起きれない前提で、授業も午後の3限以降を中心にコマを割り振っていた。
いや、なんで「朝が弱い」人間になったかの経緯は今回はどうでもいいのだ。とにかく、「自分は朝が弱いんだ」とずっと思っていたのだが、2018年に一念発起、朝活をするために生活習慣を見直していった結果、少しずつ早起きができるようになっていった。そうして1年近く経過した頃には、「自分は早起きが得意だ」という自意識に塗り変わっていた。
何が言いたいかというと、「自分は夜型かもしれない」という経験則に基づく自意識はほとんどの場合勘違いであり、単なる生活習慣だけの問題だということだ。
朝型・夜型は遺伝子で決まるらしい
朝型・夜型という言葉がいつから言われ始めたのかはわからなかったが、少なくともこの分野の研究においてはだいたいそう呼ばれているらしい。朝型・夜型に関する多くの研究のうち、1つの記事をピックアップしたい。
体内時計をコントロールする時計遺伝子「Period」の存在が、2017年の研究によって明らかになったそうだ。
「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない:研究結果
Periodは、あるタンパク質を夜間につくることによって「眠る時間だ」と知らせてくれ、逆に日中になると、この活性が低下するとのこと。351個ある時計遺伝子を持っている数によって、朝型・夜型が決定してしまうという。
朝型・夜型と早寝早起きするかどうかは関係ない
ここから、アンチテーゼを唱えたい。研究内容に関してではなく、よく考えもせず自分の生活習慣を変えようとしない言い訳に使っているどこかにいる人たちに対してである。
朝型・夜型の診断を受けたことのある人が果たしてどれほどいるのか
そもそもだが、「俺夜型だからさ」と言っている人は、朝型・夜型の診断を受けたことがあるのだろうか?明確な根拠にもとづいて「自分は夜型だ」と言っているのだろうか?
僕はそうだとは思わない。自分が寝る時刻が平均や理想とされる時刻よりも遅いことを自覚していて、ただその認識だけをもって「自分は夜型だ」と言っている人がほとんどだと思う。
朝型・夜型はあくまでも傾向であり、二分するものではない
先ほどの記事によれば、朝型人間の遺伝子は、網膜に集中しており、光の信号を処理するメカニズムが異なるらしい。つまり「寝る時間だ」と体に信号を送る・送らない仕組みが、本質的に遺伝子によって決められている、とのことだ。
それがどうしたというのか。朝型・夜型というのはあくまでも傾向の話であり、2つに二分できるものではない。言ってしまえば、351個あるという時計遺伝子の数で決まるということであれば、351個持ってたら「最も朝型」、0個なら「最も夜型」。例えば180個持っている人は「ほぼ平均値だが、どちらかといえば朝型」だろう。ただ研究結果を定量的にレポートするにあたり、わかりやすく呼称できる名前をつける必要があったから名前をつけたに過ぎない。
朝型と夜型で、寝る時間はそれほど変わらない
また、先ほどの記事にはこのようにも書いてある。
もっている時計遺伝子の数によって、朝型の度合いが決まります。研究からわかったことは、351個ある時計遺伝子のうち最も多くもっている上位5パーセントの人は、最も少ない下位5パーセントの人と比べて、平均で25分早く眠りにつくということです。
上位5パーセントと下位5パーセントとで比較して、25分しか変わらないのだ。ましてそんな極端な人達は稀で、多くの人達で比較すると、10分や15分程度しか変わらないのではないだろうか。そんな時間、Youtubeの動画を1本みている間に過ぎてしまう。
さっき「朝型・夜型の診断を受けたことのある人が果たしてどれほどいるのか」と言ったが、受ける価値もほぼないと思う。実際僕も受けたことはないし、受ける予定もない。
夜型でも少しでも早く寝ようとすることは可能
上位5%と下位5%で寝る時間が平均25分異なるということなので、仮に「最も朝型」の人が22:00に寝るとしたら、「最も夜型」の人は22:30に寝るのが自然(?)なのだろう。
だったら22:30に寝ればいいのではないか?
世の中で「夜更かしする人」は夜中の1:00や2:00に寝ることが多いらしいが、断言する。それは遺伝子のせいではない。早く寝ようとしていないだけだ。
とりあえず早く寝ましょう
いかがだっただろうか。
僕からは信じられないのだが「早く寝てどうするんだ」なんてことを本気で訊いてくる人もいるので、この話だけして終わりにしたい。
早く寝たら、シンプルに早く起きれる。そして、早く起きると、同じ活動時間でも精神的にポジティブになれるのだ。早起きをしてそのことを実感している人からは同意を得られるだろう。
また、早く寝ると、睡眠の質が上がる。睡眠の質が上がると、同じ活動時間でも睡眠不足を解消できる。適切な回復ができていると、人に優しくなれる。これも経験則だが、人に対して寛容になれないとき多くの場合、睡眠が不足していた。
まぁ、朝型・夜型とかは早く寝ない言い訳にはならないので、もしあなたが自身の生活習慣に課題を感じているのであれば、とりあえず早く寝るところから始めることを強くオススメしておく。
それでは。
チャイフ