私はPMというロールをしているが、「私の能力=PM」ではない

AIが私たちの仕事の風景を塗り替えようとしています。

「AIに仕事が奪われる」なんて不安な声も聞こえてきますが、僕はそうは思いません。

かつて「自動販売機が飲食店の仕事を奪う」と言われていた頃もあります。実際にはそんなことはなく、むしろ飲食店が「ただ飲み物を提供するだけの機能」ではなく価値を上げたり形態を多様化させていきました。

自動車 vs. 馬車。

エクセル vs. 経理。

これらも同じです。(馬車はさすがに淘汰されましたけど)

実際には「作業」が形を変え、また新しい「仕事」が生まれていく。ただそれだけのことだと思っています。

今、僕は「PM(プロジェクトマネージャー)」というロール(役割)を担っていますが、最近つくづく思うのです。PMというロールをしているが、「私の能力=PM」ではない、と。

PMというのは、あくまで今の環境において僕の資質を発揮するための「肩書き」に過ぎません。この「肩書き」に自分を閉じ込めてしまうと、環境が変わったときに身動きが取れなくなる感覚があります。

今日は、AI時代の到来を前に、自分の能力をどう棚卸しし、いかに溌剌と仕事をしていくかについて、考えていきます。

それでは!

ロールは「便宜上の名前」でしかない

例えば、PMというロールを分解してみれば、そこには「調整」「分析」「合意形成」「リスクヘッジ」といった、さまざまな「能力(資質)」が詰まっています。

そして、それらの能力はPMという仕事以外でも発揮できるはず。

仕事に自分を合わせるのではなく、自分の能力をどう仕事に活かすか、という発想が今よりも必要になってくるでしょう。

エンジニアの業務内容の変化から見る、人間らしい領域への仕事の進化

環境が変われば、ロールの定義そのものが変わります。

わかりやすい例がエンジニアです。

かつてエンジニアの主な仕事は「コードを書くこと(コーダー)」でした。もちろんいきなりゼロになるわけではないですが、AIの台頭によって、単純なコーディングの価値は相対的に下がりつつあります。

今のエンジニアに求められているのは、顧客の要件をどのように実現するかを考える「設計者」であり、それをAIにコーディングさせた後に機能や可読性やメンテナンス性をチェックしてテストを実施する「レビュアー」「テスター」としての能力です。

つまり、「何を作るか」を定義し、AIが生成した成果物が「意図通りか」「品質を満たしているか」を判断する。

これは仕事が奪われたのではなく、より「上流」の、より「人間らしい」領域へと役割がシフトした、いわば「進化」ではないでしょうか

「梯子が正しい壁に掛かっているかどうかを判断する」ことが人間の役目になってくる

これと同じことが、あらゆる職種で起こります。

PMであれば、ガントチャートを引いたり、定型的な進捗報告メールを書いたりする「作業」はAIが肩代わりしてくれるようになるでしょう。

するとPMの仕事は、「メンバーの微細な感情の揺れを察知して心理的安全性を担保する」ことや、「プロジェクトが真に目指すべき『北極星』を定義し続ける」といった、より高度な「リーダーシップ」の領域へと純化されていくはずです。

例えるなら、「梯子をいかに速く登るか」ではなく、「梯子が正しい壁に掛かっているかどうかを判断する」。「イシューを見極める」と言い換えてもいいかもしれません。

それこそが、AI時代に私たちが発揮すべき真の能力になっていくのだと感じています。

自分の貢献先を選択できるために、今のうちから能力を棚卸ししておく

「仕事に名前がついてから、後追いで自分を適応させていく」。

それも一つの生き方かもしれません。でも、それだとどうしても、「環境に追われている」感覚が拭えません。

だからこそ、今のうちから日々の仕事において「能力の棚卸し」をしておくことが重要です

  • この仕事の、どの部分に自分の「資質」が乗っているだろうか?
  • AIには代替できない、自分だからこそ出せている「味」はどこだろうか?
  • 逆に、自分じゃなくても(AIでも)できることはどこだろうか?

このように自問自答し、自分の能力を解剖しておく。

このプロセスは、単なる「生き残りのためのリスクヘッジ」のような危機感を煽るようなものではありません。むしろ、「自分の能力を活かしてどこに貢献できるかを能動的に選択していける」ようにするための、極めてポジティブな活動と捉えられます。

今、目の前の仕事に既存の名前がついていたとしても、その中にある「自分にしかできない輝き」を見つけ出しておくこと。それが、環境が激変したときでも、自信を持って次のステージへ「選択」して進むための勇気になります。

変化の波を潜り抜け、新しい自分に出会おう

私たちは今、歴史的な変化の真っ只中にいます。

AIが進化し、環境が変わり、仕事の名前が書き換わっていく。

その流動的な世界の中で、たった一つ揺るがないものがあるとするなら、それは「あなたがどう生きたいか」という意志だけです

ロールという仮面が剥がれたときに、「これが私の武器だ」と笑って言えるように。

今日から少しずつ、自分の能力を棚卸ししてみませんか。それはきっと、明日のあなたを、そして未来のあなたを、もっと自由にしてくれるはずです。

それでは。

チャイフ

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