こんにちは、チャイフ(@chaif_123)です。
お酒を飲みたい。ゲームをしたい。動画を見たい。お菓子を食べたい。
僕たちはよく、悪習慣を続ける理由を「自分がやりたいから」だと考えます。
しかし、それは本当に自分の意思なのでしょうか。
もしかすると悪習慣が「やりたい」という顔をして、脳に住み着いているだけなのかもしれません。
今回は、会社の同僚との会話から気づいた悪習慣の正体と、そこから抜け出すための具体的な方法について考えてみます。
それでは!
Contents
「タバコを吸いたい」と言う人が、本当にやめたいと思っていた
弊社には、喫煙者が何人かいます。
仮にAさんとBさんとしましょう。
Aさんは「タバコを吸いたい」と言います。Bさんも「タバコを吸いたい」と言います。
表面的には、2人ともタバコが好きで、自分の意思で吸っているように見えます。
ところが、ある日Bさんとランチをすることになり、たまたま喫煙席に案内されたときのことです。
そこでBさんが、ふとこんな話をしました。
「俺、タバコをやめられるかもしれない」
Bさんは以前、紙タバコを吸っていました。現在は電子タバコに移行していて、さらにニコチンが入っていないものへ少しずつ差し替えれば、完全にやめられるのではないかと考えているそうです。
その話を聞いたとき、僕は気づきました。

「吸いたい」と言いながら吸っている人が、心の底から吸い続けたいと思っているとは限らないのです。
悪習慣は脳内で「やりたい」に擬態する
これはタバコだけの話ではありません。
- お酒を飲みすぎる
- ゲームをやめられない
- 動画を延々と見てしまう
- 必要以上に間食する
- 寝る前にスマホを触り続ける
どれも、その瞬間には「やりたい」と感じます。
しかし翌朝、「昨日もやっちゃったな」「本当はやめたいんだけどな」と思っているなら、それを自分の純粋な意思と呼んでよいのかは疑問です。
もちろん、適度に楽しんでいて生活にも困っていないなら、無理にやめる必要はありません。
問題なのは、自分ではやめたいと思っているのに、なぜか同じ行動を繰り返してしまう状態です。
悪習慣は「やらされている」という顔では近づいてきません。
あたかも自分自身が望んでいるかのように、「やりたい」という感覚に擬態して脳に住み着くのです。
脳は良い習慣と悪い習慣を区別してくれない
人間には、過去の行動や発言と一貫した状態を保とうとする傾向があります。
この「一貫性の原理」について詳しく知りたい方は、ロバート・B・チャルディーニ氏の『影響力の武器』を読んでみてください。
ただし、習慣が自動化される仕組みと、一貫性の原理は厳密には同じものではありません。
習慣についての研究では、同じ状況で行動を繰り返すことで、「状況」と「行動」が結びつき、やがて強く意識しなくても行動が始まると考えられています。脳科学の研究でも、反復によって行動の自動性が高まることが示されています。
脳にとっては、毎回すべてを検討して意思決定するよりも、
昨日やったことは、今日もやる。
と処理する方がラクなんですね。
これは非常に便利な仕組みです。歯磨きや着替えのたびに、ゼロから必要性を検討していたら大変です。
一方で脳は、それが良い習慣なのか悪い習慣なのかまで親切に判定してくれません。
繰り返した行動は、ただ「いつもの行動」として残ります。
優秀な省エネ機能でありながら、悪習慣に対してはバグのようにも働いてしまうのです。
一度やめても、ふとしたきっかけで戻ってくる
一定期間やめられていたのに、ある日突然またやってしまうこともあります。
仕事が忙しかった。イヤなことがあった。今日はよく頑張った。友達に誘われた。たまたま目の前にあった。
このような状況が、以前の行動を呼び戻すトリガーになります。
さらに「今週は頑張ったから、今日くらいいいよね」というモラル・ライセンシングが加わることもあります。
モラル・ライセンシングについては、過去に詳しく書きました。
一度できた習慣は、しばらく休眠していただけで、同じ環境や言い訳がそろうと再び顔を出すことがあります。
そのため、「一度やめられたから、もう大丈夫」と油断しないことも重要です。
まずは「今日だけやらない」を目指す
悪習慣を一生やめると考えると、かなり重たいです。
そこで、まず目指したいのが「今日だけやらない」です。
今日やらなかったという実績を作れば、明日は「昨日もやらなかったし、今日もやめておこう」と判断しやすくなります。
もちろん、1日我慢しただけで習慣が完全に消えるわけではありません。
それでも、昨日まで続いていた流れに小さな切れ目を入れることはできます。
タバコのように依存性があるものなら、いきなりゼロにするのが難しいこともあるでしょう。その場合は、5本を4本にする、ニコチンの量を段階的に減らすなど、今日できる一歩を考えます。
なお、禁煙は意思だけで乗り切ろうとせず、必要に応じて医療機関や禁煙補助薬を利用する方が現実的です。ニコチン代替療法では、ニコチン量を段階的に減らす方法も案内されています。
大切なのは、完璧にやめることではなく、今日、昨日とは違う選択をすることです。
方法1:環境を変える
最も強力なのは、悪習慣ができない環境に移動することです。
- 外に出る
- スマホやパソコンを持たずに出かける
- テレビのコンセントを抜く
- ゲーム機を別の部屋に移す
- お酒やお菓子を家に置かない
目の前にあるものを我慢し続けるのは大変です。
それなら、そもそも目に入らない場所へ移動した方が早い。
意志力で勝とうとせず、環境の力で勝つのです。
方法2:アクセスを悪くする
環境を完全に変えられないなら、悪習慣を始めるまでの手間を増やします。
- アプリを削除する
- 自動ログインを解除する
- ブックマークを消す
- パソコンの電源を切る
- お菓子を取り出しにくい場所へしまう
- 有料でもアプリやサイトのブロック機能を使う
1クリックで始められることと、再インストールやログインが必要なことでは、面倒くささがまるで違います。
アクセスする手間が「やりたい」を上回れば、脳は「今日はもういいか」と判断してくれます。
脳の省エネ機能を、今度はこちらの味方につけるわけです。
方法3:別の行動に置き換える
悪習慣をただ取り上げるだけでは、そこに穴が空きます。
お酒で気分を切り替えていた。ゲームで達成感を得ていた。動画で退屈を埋めていた。お菓子でホッとしていた。
その報酬まで消してしまうと、やめることが苦痛になります。
そこで、似た報酬を得られる別の行動へ置き換えます。
- ビールをノンアルコール飲料にする
- スマホを見る代わりに本を開く
- 家で動画を見る代わりに散歩へ出る
- タバコの代わりに飴やガムを口にする
- ゲームの代わりに短時間で終わるパズルをする
ポイントは、立派な行動へ置き換えようとしすぎないことです。
動画を3時間見ていた人が、急に3時間勉強するのは無理があります。
少しマシで、同じくらい始めやすい行動を選ぶ方が続きやすいでしょう。
今日、ひとつだけ「やらない日」を作ってみよう
悪習慣を続けているとき、僕たちは「自分がやりたいからやっている」と思いがちです。
しかし、本当の自分はやめたいと思っていて、習慣だけが「やりたい」という顔をしていることがあります。
そんなとき、必要なのは一生やめる決意ではありません。
環境を変える。アクセスを悪くする。別の行動に置き換える。
そのどれかを使って、まずは今日ひとつだけ、やらない日を作ってみる。
今日やらなければ、明日は昨日より少しだけやめやすくなります。
悪習慣に奪われていた選択権を、今日から少しずつ自分に取り戻していきましょう。
それでは。
チャイフ







